2023-01-01から1年間の記事一覧

授業期間と研究

今学期最後の講義とチュートリアル(個別指導)を終えた。これで今学期の大学教員としての勤めは果たしたことになる。*1受け持ったのは、大学院二年生向けの修論執筆指導・研究方法論(6週間)と、大学院一年生向けのメディア文化政策概論(13週間)の2コ…

大学教員一学期目と若干の悩み(2023/09)

9月に入ってから、いよいよ新学期が始まった。先学期はビザ申請の兼ね合いでフルリモートで教育と学務に携わっていたので、現地で正規の戦力として大学勤務をするのは、今回が初めてで何もかも新鮮。今月から始まった仕事内容は以下。 博士課程院生の指導。…

ロンドン大学博士課程の指導教官

自分がKing’s College Londonで博士課程に在籍していたときの指導教官のことを振り返る。 人格も素晴らしく、研究も尊敬できる、自分がこれまで会ったなかで最高の研究者の一人だと断言できる。 英国の人文系大学院はなんだかんだで指導教官の及ぼす影響は大…

駆け出し大学教員の研究・教育・学務

昨日、直属の上司にあたる学科長と面談を行なってきた。なんでも、全ての教員は半年ごとに研究・教育・学務の三分野について目標を設定し、後日その達成状況を確認して昇給審査等々に反映するらしい。 (そういえば、ロンドン大学で博士課程の院生だった時も…

蘇州で暮らし始めた

ようやく就職先の大学がある蘇州に着任した。博士論文執筆中にオファーを貰ってから、実に一年かけて、現地にたどり着くことができた。ここまで本当に長かった。 二週間ほど暮らしてみての感想としては、現地の電話番号を入手して、スマートフォンを用いた決…

論文出版×2

International Journal of Cultural Policyという、文化政策・アートマネジメントの研究者であれば全員必ず目を通しているジャーナルから単著論文が刊行された。 https://doi.org/10.1080/10286632.2023.2244511 この雑誌との思い出として、英国大学院での修…

大学教員二学期目:教育と事務

大学教員としての生活が本格的に始まり、教育・事務関連の仕事が一気に増えてきた気がする。 9月から始まる新学期には、今学期の担当科目は2つあり、ひとつ目が修士課程一年目向けの「メディア文化政策」講義で、こちらは13週間通しで行う。 http://modules.…

2023/07(ビザ発行、論文刊行、スレミオ結婚)

今月のニュースは三つ。 (1) 中国に渡航・就労するためのビザが発行された! ここまで本当に長かった。申請期間を短縮するため博論審査において「修正なし合格」の結果を得て学位を最短で取得したものの、そこからが時間がかかった。犯罪経歴証明書や学位の…

初授業がやっと終わった

6月の末日に、所属学科の全教員と外部の審査員(今回はリヴァプールとバーミンガムの大学から)が一堂に集う会合があった。 自分は趣旨もよくわからずリモートで参加したのだが、今学期の全授業について、学生評価と採点結果を3時間かけてつぶさに検討してい…

2023/06(研究と教育)

2023/06 <研究> 今月は、研究に関しては一定の進捗があった。博士論文をもとにした投稿論文が、International Journal of Cultural PolicyとJournal of Arts Management, Law, and Societyという二本の査読誌に採択された。どちらも文化政策研究を志した時…

2023/05

2月下旬からから5月末にかけては、人生で初めて大学院でフルタイムの教員として働いたこともあり、研究は全くと言ってよいほど進まなかった。 授業は毎週木曜日と金曜日に同一内容のものを3時間ずつという程度だったが、授業準備やオフィスアワーの対応、採…

海外大学院で授業を初担当

5/20の現時点で、就職先での最初の学期を終了した。 現所属先は英国大学の中国キャンパスという割と特殊な環境なので、そこでの経験をまとめておくことは一定の公共性がありそうだし、なにより、経験を言語化しておくことで転職活動における書類作成・面接で…

2023/04(ブルージャイアント続編、おすすめです)

4月が終わってしまう。 今月特に有益だった作業は、自分の専門分野(文化政策、クリエイティブ産業、アートマネジメント)に関連した、研究者・研究機関・教育プログラムのまとめを作り始めたことでしょうか。 https://docs.google.com/spreadsheets/d/1w4RL…

ロンドン大学就職面接振り返り(惨敗編)

ロンドン大学の一つ(UCL)のpermanent lecturer 面接を受けてきた。結果から言うと惨敗で、正式な通知を待つまでもない、という感じ。ともあれ、面接内容を振り返ってみると学びも多く、海外大学の人文社会学部に就職を目指す人には有用かも、と思うので、記…

留学後にも出来るネットワーキング?:論文抜き刷り営業回り始めました

以前の記事でも述べたように、「論文の抜き刷り」を読んでほしい研究者に送りつけることは、有益らしい。 yurimangasukisuki.hatenablog.com ということで、自分も早速初めて見た。手元にあるワーキングペーパーと刊行論文、そして昨日提出したばかりの博士…

国際派大学教員による初任一学期目の華麗なる生活

ビザ申請の書類が揃わず、今学期(2月-5月)は日本の実家でだらだら過ごしてる。教務と学務はリモートで対応している。昼休みに自室で昼寝ができること、休み時間に自宅の風呂に入れることが魅力的。 所属先では、どの教員も基本的に授業を各学期一つしか受…

採択書類共有:サントリー文化財団「若手研究者のためのチャレンジ研究助成」

表題の通り、サントリー文化財団「若手研究者のためのチャレンジ研究助成」採択書類を共有します。情報格差解消の一助になれば幸いです。 一年目は博士論文(文化政策研究の枠内では堅実かつ意義があるが、やや地味)をもとに応募して不採択だったので、翌年…

今後3年間の抱負(2023/04-2026/03)

大学教員としての初めての学期が始まり、端的に言って教育・学務で非常に忙しい。自分の就職先が新設の大学院コースで、全てを一から立ち上げる必要がある、いわばベンチャー創業のような状況にあることが主な理由と思われる。そうしたなか、教育や学務に割…

海外学振補欠採択書類(芸術実践論関連)

表題の通り、海外学振に補欠採用された書類を共有します。「文化政策研究」という、日本の学術界にはあまり根付いていない、分野横断的なディシプリンの研究計画を、「芸術実践論関連」というニッチな区分に応募した点で、似たような境遇の方のお役に立てれ…

新任大学教員、恩師に助言を受ける

蘇州の大学院で専任講師として着任し、先週から授業が始まった。 大学院の授業を受け持ち、教授会にも参加必須となり、教育・学務に費やす時間が増え、何よりも研究だけに専念出来ていた博士課程の頃とは「頭の作り」が変わっていくような感覚、もっと言うと…

博論口頭審査:個人的振り返りと有用情報共有

博士論文の口頭試問が無事終わったので、その振り返りを兼ねて過程を記録しておこうと思う。 …のですが、俺の振り返りなどどうでもよくて、数日前までの俺のような、「博論審査に怯える全ての大学院生」に観て欲しい超絶役立ち動画を二本お伝えしたくてこの…