仕込み段階

やっと今学期の教育・事務が片付く見込みが立った。ここからは研究に割く時間を増やせそうだ。

目下最も忙しいのは修士論文の指導だが、受け持ち学生が短期間の間に一気に力をつけて研究成果を形にする勢いと成長速度に刺激を受けて、自分も修論くらいの分量のなにか(12,000-15,000 words)を書き下ろしたい気分になっている。

学生から刺激を受けている。

修論指導に関してパートナーから金言を得た。自分の修論指導の方針や厳しさについて反省をしていたら、彼女から

「あなたが手綱を引き締めようが緩めようが、書く学生は書くし、書かない学生は書かないのだから指導の強度など気に病む必要はない。教員が学生の人生に対して及ぼしうる影響力を過大評価するな」

と言われた。これが同業者だと「ではどう指導するのがよかったか」という話になりがちだが、「そもそもお前の影響はそこまで大きくない」と外部の目から指摘されるのは大変にありがたいし、視界が開ける。

また、大騒ぎしてきた件について、まだ結果は出ていないのだが、結果が出ていないという事実から察して駄目だったと割り切った。

割り切ってみれば不思議に気持ちが切り替えられて、新しいプロジェクトに全力投球しようと思えてきた。

そんな新規ブロジェクトであるが、「二周目の経験値を活かした理想の博論」を目指している。

資料の探し方、先行研究の探し方、執筆のスケジュール、途中経過の成果発表など、自分の博士課程の過ごし方には色々と悔いが残るが、そうした修正点を全て改めた上で、博論相当の分量と意義のある成果を3年以内に生み出して、書籍化を目指そうと思っている。

これには大変なやりがいがある。