2023/05

2月下旬からから5月末にかけては、人生で初めて大学院でフルタイムの教員として働いたこともあり、研究は全くと言ってよいほど進まなかった。
授業は毎週木曜日と金曜日に同一内容のものを3時間ずつという程度だったが、授業準備やオフィスアワーの対応、採点に教員会議など、とにかくやることが多く、研究にまとまった時間を取るのが難しかった。
とはいえ、それも6月からは全く別で研究が進まないことに関して何の言い訳もできない、研究者として結果を出すためだけの3ヶ月が与えられるので、気合を入れる必要がある。
幸い、授業評価も学生からの反応も良好で、来学期は望んだ通り、より専門に近い大学院講義と修論指導を受け持つことができそうなので、今から楽しみである。
なにより、一学期丸ごと、授業計画から評価まで全て自分の裁量で通しきったことは、大学教員としての自信に繋がった。来学期の担当講義も含めて、教育歴・学務歴に関するポートフォリオが理想的な形で充実しているので、その点でも手応えがある。
研究関連としては、Springer社刊行の論集への寄稿が成立したこと、RA採用のプロジェクトで共同研究者に格上げされ来期の競争的資金と論文を一緒に出すことになったこと、「海外大学の中国キャンパスで働く、文化政策・アーツマネジメント・クリエイティブ産業研究者」との繋がりを広げたこと、R&Rの論文が一本増えたこと、くらいしかない。これらは全て、自分が蘇州に足場を固めて初めて意味を持つ仕込みだと思っているので、渡航が決まらず日本の実家に燻っている現状がまたもどかしい。
 
要約すると、ここ数ヶ月は教員として一歩前進、研究者としては直立不動(early career researcherとして、それは後退に等しい)という結果になった。
6月以降に、どれだけ研究業績を伸ばせるか、来学年(英中大学では9月から)に向けた仕込みがどれだけ積めるか。昨年の今頃は就職が決まって馬車馬のように博士論文を書いていたが、今年も実はそれ以上に踏ん張りどころ、勝負所なのかもしれない。