夏休み

独身男性の研究大学における夏休み。何もやることがなく、家族も自立しており、外出の予定もない。

とにかく暇を持て余しているので、手当たり次第に本を読んで映画を観て、語学の勉強に打ち込んでみたり…

思い出したが、大学生の頃の夏休みに似たような過ごし方をしている。いい職場である。

まさか30過ぎてもこんな時間にありつけようとは。とんでもなく恵まれた人生だ。

月並みな言い方だが、人文的な教養があると人生が豊かになる。

 

それはそうと、RAや学生共著者が持ってきたジューシーな材料を調理して論文として完成させる作業をいくつか進めているのだが、オリジナルだがそれだけでは論文にならないデータに文脈を与え、ナラティブを構築する試みは、自分の修行としても大変役に立つ。

特に自分のような若手にとって、教育と研究は表裏。

ただしこんなことを言えるのも、学生の研究基礎力および語学力が高い現環境だからだろうな…

大学教員の夏休み

6月の中旬に採点業務を終えてから、9月中旬の新学期開始まで、まるまる3ヶ月なんの事務・教務がない期間が続いている。

本当ならこのまとまった時間を用いて深い集中に沈み込むべきなのだろうが、まだそこまでの没頭はできていない。

単著スケールの事業があればこうした長期休暇は大事だろうが、今の自分はむしろ細かい手をまとめる段階にあるので、そちらをちまちまと片付けている。

ジャーナル行脚を続けている新規論文を3本、いい加減どこかで刊行してしまいたいし、CVの更新、研究報告書のまとめや、授業スライドの磨き直しなども今終えてしまうと楽になる。

加えて、重要なのは忙しい時には後手に回ってしまいそうな投機的な取り組みをいくつか進めておくこと。

民間研究助成の応募や、今の研究費を元手にした学生論文の推敲・投稿などがこれにあたるか。金、金、金……

民間研究助成は100万円規模のものを3本出す。一つでも取れれば良い元手ができるのだが。

こういう投機をどこか余裕を持って出来るのは、休暇期間でもまとまった給料をもらえる現職があってこそ。ありがたい。

 

話は変わるのだが、最近は余裕資金をインドETFに突っ込んでいる。単なる勘だが。

自分は2年前に「中国に張って」今の高待遇で報われているので、今度は人的資産(キャリア・職能)ではなく金融資産で新興国に「張る」つもりでいる。

せいぜい自分が怠惰な「夏休み」を過ごしている間に、これらの投資には働いて欲しいものだ。

就職から一年:途中経過

今の職場で働き始めて一年が経過した。博士課程を終えた直後で気が大きくなっていた自分は三年がかりの抱負を立てた。

https://yurimangasukisuki.hatenablog.com/entry/2023/03/05/003815

ただ、就職してからの環境が自分の想定と違っていたこともあり、ここらで振り返る方が良さそうだと思った。自分がこの一年間に達成したものの振り返りと今後の課題について書き記す。

 

(1)研究

ここまでで博士論文をもとにした査読論文が三本刊行されている。

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/10286632.2023.2244511

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/10632921.2023.2227183

https://www.degruyter.com/document/doi/10.1515/culture-2022-0205/html

 

これは初年度の出だしとしては悪くない。博士論文をもとにした原稿は残り一本だがこちらも通せる雑誌を早く見つけたい。

他にも、誘われて参加した研究会から刊行された調査報告書や、シニアの教員が企画した編著へのブックチャプターの寄稿など、思った以上に多様な形式での成果が出ている。

https://link.springer.com/chapter/10.1007/978-981-97-1499-5_4

 

その一方で、無視できない課題として、博士論文以外の新規プロジェクトについてまだ結果が出ていないこと および 共著・共同研究が後手に回っていること が指摘できる。 

研究については、いろいろと新しい題材には着手出来ているのだが、ディシプリンや研究手法の習得という点では疎かになっており、サマースクールや研究会等々への参加を考えなければなるまい。

 

(2)教育

教育に関しては、就職前の目論見と現状との間で最も大きな開きがあった。こうした齟齬は、学生の立場から見える、海外大学教員の職掌やCV形成がいかに情報不足ゆえにズレていルカ示唆している

当時の自分は教育ポートフォリオの幅を持たせるために積極的に担当講義や学位指導の機会に手を挙げようと思っていた。しかし、そんな積極性を発揮するまでもなく、研究方法論から専門科目まで十分な教育実績は積めているし、修論指導どころか博士課程の指導まで行っている(めちゃくちゃ学びが多く、やりがいがある)。

そして、来年初頭にはHigher Education AcademyのFellowshipも授与される予定である。

はっきり言って、教育に関してはどこに転職するにしても十分なカードは既に揃っていて、ここからの勝負は研究によって決まる。

 

重ねて思うのは、「アカポス就職のために教育実績を積みたい」と思うなら、非常勤講師やTAなどの職歴を学生・ポスドクの立場から狙うのは大変効率が悪く、さっさとフルタイムの専任教員になってしまった方が良い。見えているものや与えられる機会が全然違う。この点に関して、イギリスでポスドクをやらなくて良かったと自分の選択を肯定できる。

 

(3)ネットワーキング

ネットワーキングおよび学会参加についても進捗はあった。

今夏開催された研究分野を代表する国際学会に複数参加して、そこで「研究者同士の対面での社交」の持つ効果を強く感じた。セミナーや学校提携、共同研究といった形でこのネットワークを活用していく。

その上で、まだまだ与えられた機会を十分に活用しきれているとは言えず、社交のリハビリは必要だとも感じた。

さらに、国際学会以上に効果的なのは非公開・準公開くらいのシンポジウムだということもわかってきた気がする。留学中の遺産が利いて、複数のシンポジウムに参加する機会があったが、これは既存の繋がりを深めて踏み込んだ学術的議論を行う場として大変優れている。

今後も呼ばれるだけのプレゼンスを研究を通じて発揮するか、自分で企画するだけの研究費を勝ち取る必要がある。

幸い、まとまった額の研究費は取れたので来学期からは人をどんどん呼んでセミナー運営も軌道に載せていきたいところだ。

 

(4)研究費

現時点まで日本円で100万円、人民元で1万元(日本円200万円相当)を確保している。ペースとしては悪くないが、今後研究費のスケールを上げていくと、中国の研究者と競い合う現地の公的助成か日本の常勤研究者と争う100万円単位の民間助成の両方を狙うことになり、これは結構厳しい勝負になると感じてる。

また、自分で手を動かしてなんぼの博士課程の院生だった時分と違って、RA雇用や外注などある種プロジェクトリーダーとしての振る舞いが求められる立場になったので、いかに効率的に金銭を研究の進捗・業績に還元するか、「金の遣いみち」についても工夫が必要である。

 

(おまけ)

英国のラッセルグループ大学からテニュアポストで面接に2−3呼ばれた。それらに最終面接で落ち続けたことで、試行回数を増やすよりも能力・業績を高めようと思って公募に出すのをやめたのだが、まあ、面接に呼ばれるということは自分の方向性は間違っていないということだと思いたい。

 

学会参加や出張の副産物として、航空会社のマイルやホテルの会員ステータスが積もってきたのが地味に嬉しい。JGC Four Star, Accor Platinumあたりが現実的な目標になりそう。

金はある。でも…

欧州出張の合間に日本に立ち寄っている。池袋のかるまるで朝からサウナと水風呂を往復していたら、不意に「無為に待つ自分」を許せる心持ちになった。単に整っただけかもしれないが。

中国と時々英国で外貨を稼いで日本で思い切り休暇を過ごすサイクルが確立されてきた。

さて、今回考えたいのはお金と研究のことである。

今年は、日本円で100万円、人民元で10万元ほど研究費を獲得できた。これらを研究の進捗・業績に換える方法が未だ見えていない。

大学院生だった時は、研究費は書籍であり学会参加費であり、それらは研究に必要なものであった。

だが、今の職場では学会参加の費用は学科から支給されるし、書籍については大学図書館に申請して購入してもらうことになっている。

何よりも、自分は今や研究プロジェクトの運営や共同作業をこそ進めなければならないので、自ずとお金の使い方も変わってくる。

RAの給料を考えるなら、どういう指示を出すべきか。ジュニア研究者との複数の共著原稿があるとき、どれにどういう投資をするべきか。

自分が人に使われる側の平研究者であったときとは考えることが変わってきた。そして、今後より大きな資金を複数年単位で取りに行く時に向けて、経験を積む必要がある。

東京會舘助成金の授与式

 

国際学会感想戦

  • 国際学会は、地理的・学問領域的に隔たった場所のトレンドを知るには有効(なぜentrepreneurshipという言葉があそこまで流行っているのか等々)
  • 気力・体力があって次々と研究成果やプロジェクトを挙げている中堅のスター研究者(領域の主力)ほど、気さくにフットワーク軽く話して回るし、気遣いもできるし、真剣にメモを取って色々な人の発表を聴いている。大御所も駆け出しでもない、こうした研究者の在り方こそ自分が次に目指すべきものだ
  • 貴重な出会いはあるし、「研究者としての実存に関わるような」込み入った話を聞けるのは対面の懇親会ならでは
  • もっとファッションに気を遣っても良い(参加者がオシャレ)
  • もっと論文を読み込む必要がある(予習によって議論や社交の広がりが変わる)
  • 既知の友人が増えてくるほどに、新しい相手に切り込んで話し掛けるのが億劫になってくる自覚があり、大変よろしくない
  • 結局、業績があること・ポストがあることが間違いなく最強の社交ツール
  • ネットワークに関して「マタイ効果」を痛感したので、学会には顔を出し続けることが必要。継続は力

自分のためのインタビュー記録

M

<Q>

  1. Why Manchester? Why you?
  2. Experience to bring to the department
  3. 5-year plan of research > How it can contribute to the faculty
  4. follow-up question about the grant
  5. How to build a relationship with local CCI
  6. administrative experiences: challenges and your approach (how to solve the problem)
  7. support for ECR is spot-on!
  8. 3rd year students may seek international exchanges

 

 

<FB>

Sell yourself (your research) much, much harder

What is your uniqueness/contributions to the field

ego

catchy

rockstar

The UK’s top universities attract world-leading scholars. I should explain that I can be one of them.

My talk was a little dry (boring)

Explanation to audiences outside the field

Pay attention to locality (civic university, Manchester, Birmingham etc)

 

How to promote my research:

Big banner: comparative cultural policy

selling small projects

creative industry departments vary, and different panel members

explain my own contributions

 

L

The interview questions:

What is your experience in teaching? What can you bring to the program?

Challenges for teaching the creative industries (not only diverse students but also the discipline itself)

How can you deal with the workload, including multiple modules?

What will you do for the scholarship time?: curriculum development (review, interview, make)

What training/resources did you expect from the faculty?

MA: mostly Chinese, BA: 15 out of 25 are British, others abroad