大学教員二学期目:教育と事務

大学教員としての生活が本格的に始まり、教育・事務関連の仕事が一気に増えてきた気がする。

9月から始まる新学期には、今学期の担当科目は2つあり、ひとつ目が修士課程一年目向けの「メディア文化政策」講義で、こちらは13週間通しで行う。

http://modules.xjtlu.edu.cn/mod?mod_code=FTA422

 

ふたつ目の担当講義が、修士課程2年(卒業年度)向けの「研究計画・研究デザイン」ガイダンスとなる。6週間集中的に指導を行い、それを終えた院生たちは修論の調査でフィールドワークやインターンに向かう(講師としての自分はその間は時間に余裕ができる)

自分が英国のウォーリック大学で修論を書いていたときのことを思い出して切ない気持ちになる。教員として、修論執筆が少しでも良い思い出になるように出来ることを惜しまずやろう。

http://modules.xjtlu.edu.cn/mod?mod_code=FTA429

 

そして、先日学部長として面談を行なったところ、「授業評価アンケートの結果は相当に重視していること」を強調され、評価を上げるため個々の学生とコミュニケーションをとる術などを具体的に教えられた。自分が先学期は学内で唯一フルリモートで授業を受け持たざるを得ず、そのなかでも学生評価は最上位帯だったので、ある種の自信はついてきた。それにしてもアンケートを気にしすぎると驚くほど精神的に磨耗するので、上手に折り合いをつけていきたいところ。

 

授業日程

事務に関しては、こちらも上司との面談を通じて、自分に何が期待されているか具体的に分かったところがある。

就職先は新設の大学院であり、国際的な知名度を上げたいと強く考えているらしく、自分には英国の母校(King's College London, Department of Culture, Media and Creative Industries)との間で、「講演・セミナーでの研究者招致、国際シンポジウムの企画・開催、さらには大学間共催のサマースクールの立案」を行うように強く勧められた。これらの話を進められるなら他の事務仕事は免除されるし、実施に際しては予算は確保されているとのことだった。

正直に言って、中国で就職することで、母校や英国アカデミアとの繋がりが薄れていくことを懸念していた自分にとっては、この提案は渡りに船といったところである。

少々気になる点があるとすれば、職場としては国際性を打ち出すことが目的なので、招待する人物は知名度・影響力が大きい研究者を選んで欲しい、と言われたことだろう。自分としては、既に諸々確立されたシニア研究者よりも、これから伸びてくる若手スターを呼ぶことが重要だと考えているので、ここからは擦り合わせの話し合いとなろう。

 

今回の事務関連の話し合いを通じて、自分が持っている母校との繋がり、留学先で培ったネットワークを、こんな風に職場が活用しようとしていること、つまりアカポス就活においてもこの要素は見られていたことを(遅まきながら)体感したのが新鮮であった。研究業績を主に見比べて一喜一憂していた自分の視野の狭さを痛感している。

 

とはいえ、本場で研究に専念できるポスドクを蹴ってまで今の職場に来たのは、まさしくこうした教育・事務の経験を積みたかったからなので、目に見える結果を残せるように努力しなければ。

ということは、やはり学期開始前の今の時期には研究で進捗を産んでおかないと…