駆け出し大学教員の研究・教育・学務

昨日、直属の上司にあたる学科長と面談を行なってきた。なんでも、全ての教員は半年ごとに研究・教育・学務の三分野について目標を設定し、後日その達成状況を確認して昇給審査等々に反映するらしい。

(そういえば、ロンドン大学で博士課程の院生だった時も、progress reportという似た仕組みがあった。英国の大学におけるお決まりの制度なのだろうか?)

最初の項目にある「研究」については、簡単だった。半年間の間に論文X本投稿、競争的資金にY本応募、みたいなことは大学院生だった頃から本能的に考えてきたからだ。

ただその次に進もうとして、自分はまだ教育と学務については何を目標として掲げれば良いのかよくわからないことに気付かされた

 

そこで、学科長との面談を進める中で、大学が自分に期待している役割、すなわち 

(1)直近の経験を踏まえて大学院での授業と修論指導を行う即戦力

(2)クリエイティブ産業研究における世界的拠点である母校(King's College London)の人脈を持ってきて国際提携を担う仲介者

の二つが明らかになったので、それをもとに具体的な目標設定を行うことになった。

具体的には以下の内容になる。

(1-1) 二つの大学院講義で授業評価を全学平均以上

(1-2) Higher Education AcademyのFellowshipを取得

(1-3) 修論指導を15人担当

(2-1) 国際セミナーを一つ以上企画

(2-2) King's College Londonとの国際提携企画 

ちなみに自分の職場だと、研究40、教育40、学務20の割合で評価されるので、時間配分もそれに合わせることになる。研究に関しては「もっとやれるぜ!」という意気込みが、教育・学務に関しては「こんなに出来るかな…」という不安があり、大学院生から大学教員への移行期間らしい、いかにもな経験だと思う。

良い点としては、「教育経験・学位指導およびその成果としての国際資格(HEA Fellowship)」「英国アカデミアとの人脈維持・形成」といった期待される目標が、今後の転職活動やCV作成において最も必要なものと一致していることだろうか。

(たとえば海外学振のような)研究専念のポスドクとして総本山たるロンドンに残った自分の可能性との比較はどこかで続けているが、今回の諸々で、自分が選んだ道の優位性が改めて実感できた。

 

こういう目標設定フォームを埋めさせられる