面接ラッシュ

今日から、いくつか招待されていた英国大学の就職面接が始まる。本命がまとまる4−5月あたりには現地に渡航して対面での面接に臨む予定だが、今日のものはまだオンラインでの肩慣らしといったところ。

この面接は面白くて、いわゆるTeaching & Research (教育と研究のエフォート比率が1対1)のポストでありながら、実際に受け取った面接案内では模擬講義ともっぱら教育に関する事前質問への準備を課されている

このあたりから研究者よりも教員を採用したいという大学側の思惑が感じ取れる。別の大学の面接では現在の研究と将来の研究について30分プレゼンを課されており、ポストによって求められているものが全く違っていると感じる。(ちなみにどちらの大学もラッセルグループ)

ちょうど一年前、海外学振に採択されたとき、2年間ロンドンで研究にひたすら打ち込むポスドク生活に魅力を感じたことは事実だが、そちらの道を選んだら英国の就活戦線からは脱落することが確定していたように思う。ファンディングの出所が英国・EUの外からだと、やはり「現地で通用する」という証拠としては弱く、英国の大学に籍を置いていても正規の教務・学務の経験は積ませて貰えなかったため、2年間の任期のうちに現地の大学に採用される可能性はまずなかったと思う。

まあ、何の制約もなく研究に打ち込んでいたら何か新しい視界が開けた可能性もあるので、どちらが正しかったとも言えまい。別に自分が選んだ環境が無欠の正解という保証も全くないし…

例えば、自分の職場は英国大学の中国キャンパスだが、中国語が出来ないので、どうしても現地での折衝や細かい事務仕事などは他の同僚に割り振られている感触があり、申し訳ないと同時に、職場に十全に貢献できていないという危機感がある。

十中八九ないとは思うが、まだテニュアトラックにいるので、こうした事務における貢献不足によって(もっというと職場での優先順位の低さから)、テニュアが見送られる可能性はないかと不安になっている。

別に同僚との貢献度競争をしている訳ではないし、そもそも人手不足が深刻な現職場で首を切られることを心配している人など誰もいないが、ふと気になったのである。

面接のような選択肢や可能性と向き合う機会があると、自分の来た道や行く末が気になってくるものである。粛々と手を動かすべきなのだろうが。