本場感

同世代ややや上くらいのいわゆる若手研究者(Early Career Researchers)を見ていると、そろそろ答え合わせが進んできた感があり、頭角を顕してきた人とそうでもない人の差が鮮明になってきたように思う。そして職業柄、この差は最後まで埋まらないのだろう。

抜きんでた人の何がよかったかというと、研鑽の場として本場・総本山・最先端と呼ばれる場所を選んだことが特に利いているように見受けられる。

逆に、北米の研究大学に最先端がある手法やアプローチをそれ以外の地域でやったり、他の言語圏で留学・修学をしながら片手間に英語論文を目指す、みたいなやり方だと、どうしても本場の精鋭に対して見劣りするところがある。

他人事ではなく、自分が今いる場所は英国研究という意味では総本山として遠く隔たっているので、ロンドンでやっていたようなことをここで漫然と続けても、遅いし鈍い書き物しか出てこないだろうと危機感を募らせている。

自分がこういうことを切ないくらいに考えてしまうのはやはり個人的就活シーズンだからだろうか。別にトップランナーでなくても論文を数本出すくらいのことは出来るのだが、「任期なしポストを本場で争う」という話になると、どうしてもこのわずかな見劣り、劣後が気になってしまう

それではどうすれば良いかというと、「今いる場所が最先端・本場となるような問題を、理論を、事例を、研究として立ち上げる」しかないのだと思う。現在自分はそのための試行錯誤を色々としているので、具体的な実践や成果は挙げられないが、これも数年後に答え合わせが済む案件であろう。