セミナー雑感

自分が企画したオンラインセミナーが無事に終わった。

現職場と母校との橋渡しをしつつ、「アジアの事例と議論を文化政策・文化産業研究に持ち込む」という理念を形にできてよかった。

セミナーに参加して、新しい題材や手法、議論に触れると、脳味噌に新鮮な空気が通うような最高の気分になる。自分はこの分野の研究者が天職だと思う。

同時に、思い出したことがあった。何者でもない留学生だった時もロンドンでセミナーに足繁く通っていたのだが、その度に、質疑応答で「刺さる」「価値がある」質問が出来なければ負け、自分の存在意義を示せなければ死だと思っていた。あの切迫した感覚を忘れかけていたが、今まさに取り戻した。

企画・主催・招待などの立場に甘え、持て囃されて忘れつつあったが、ロンドンで何者でもなかったときの飢え・焦燥感・危機感のようなものが絶えずあった。

俺はそれが間違っていたとは思っていない。