趣味の読書

最近、TASCHENの建築家全集を眺めることが増えたのだが、個々の建築家について相当の分量触れると、作家性のようなものが分かってくる気がする。読んだ甲斐がある。

TASCHEN Books: Zaha Hadid. Complete Works 1979–Today. 2020 Edition

 

ベタだが、夏目漱石『私の個人主義』も再読。納得がいくところまで鉱脈を掘り続ける。ただ、西欧近代、より具体的には倫敦との格闘なくして安易に自分本位の結論だけ取り入れるのは単なる夜郎自大であろう。 

セネカ『生の短さについて』。過去を振り返ることを戒めるのではなく、充実した過去、有為に過ごされた時間は財産となる(ので振り返るべし)という指摘が目新しい。

千葉雅也『意味がない無意味』以下引用

手軽に始めるとしたら、日本の若手研究者や批評家は、自分の仕事の新規性が伝わる短い文章なり何なりを、ひとつでも早く翻訳してウェブに載せ、ソーシャル・メディアで拡散するべきです。日本語の壁の内側にこれだけのコンテンツが潜んでいるということを集団的に示していく。それは組織的にというより、自発性が多発するような勢いとして起こるべきです。

一つの見識と活動であろう。

中嶋隆博『中国哲学史』は大変に勉強になった。学派同士の対立と緊張の面白さ、格闘した課題の雄大さよ。

内田百間御馳走帖』、タバコとビールが美味そう。